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おばといとこたち
制作2005年 修繕2011年
布、糸、手芸わた、紙粘土、化粧品、その他
左から H35×W32×D23cm
H38×W36×D36cm
H37×W35×D26cm
この3体は、私的な内向きの目的、純粋な切迫とも呼ぶべき動機のもとで作られた。
その意味で、これらは殊にアウトサイダーアートの系譜と近い位置にある。
個人的なストーリーテリングの趣が強い。
しかし、以降の制作において中核をなす血族・女性性・母性といったイメージを凝縮している。
幼女の夢想としての人形を具現化した点においても、後年の作品の雛形と言うことができる。
また、この人形は個人の心理的な欠落を埋める物体—言うなれば失われた家族の代償として—数年に渡りプライベートな空間に寄り添っていた。
女性の群像という姿を借りることで、物体は母親とセミオティックな等価物となる。
家族への渇望や行為への強迫感など、私的な必要性に由来するこれらの人形は<作品以前>かつ<表現未満>の、いわば「なまもの」である。
作為しない作為の強度を感じてもらえたらいいと、近年になって思う。
現在まで展開する制作姿勢の原拠となった、初期の代表作である。
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