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わたしのむすめ
2012年
布、糸、手芸わた、絆創膏、釘、化粧品

H42×W28×D23cm

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初期の制作傾向として、表現や発表を意図していないことが挙げられる。
内向きで、症状のなせる行為としての純度が高い。
作業は一層とヒステリック / 解離性障害的であり、端的に言えば子宮に依る行為である。
テーマとして「伯母」「いとこ」などの個人的なエピソードからまだ精神的に回避した段階であるが、その回避心理に寄る脆さが、かえって少女の感傷といった印象を強めている。
タイトルにおける「むすめ」の語。
この内に感じられる響きは、母性が対象を持って発する言葉のニュアンスではない。
自身の属性、つまり生娘、処女、幼女としてのそれである。
汚らわしさを拒み、清らかさを切望しながら崩れていく。
その思春期的な危ういバランス。
<作品以前>の独り語りとしての作品である。

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