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友達としての手遊びA
2014 年
塩化ビニール製骨董人形、ナイロンストッキング、布、糸、手芸わた、ネイルエナメル、化粧品、ベビーパウダー
H22×W12×D15cm
長期に渡り人形のモデルであった伯母の死去後に作られた。
そのため、恨みや憎しみといった呪術的感情の裏打ちを失い、奇妙な明るさを得ている。ある種の諦念が導く、空虚な明るさである。
ここでは、名前を持った個人をモチーフとしていない。関心対象は空想上の「友達」という曖昧な言葉で包括され、意識は表層へ向かっている。
自覚された表層<皮膚>は、個人と世界とを隔てる境界面の役割を担う。中心を無くし自己目的化する物語の脆弱さを、膜のように保護している。
硬質で乾いた印象と柔和な機知、表面と内包性が均衡のもとに同居する小品である。
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