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快復する私たちの身体

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制作期間に、甥の誕生、自身の結婚などを経て長い帰郷を終えた。
細部の造形にいっそうの緻密さを求め、完成までに3年の月日を要したのは、魂の病によって一度は放棄した生活の実践について、再び試みる時間が作品にとって最も重大であったためだ。
これまでモチーフとしてきた「伯母」という役割を自身が負い、逃避する子供としての態度に別れを告げ、成熟への恐怖を手放すこと—家族像の治癒、幼少期の終わりがこの作品の主題である。
これまでの制作は、希薄な現実感を補うために仮想の身体へ自らを転換する行為であり、内部の欠落感を確認する作業としての表層の具現化であった。今回の制作は、その延長にありながらも、自身が万能感と不全感の両極に引き裂かれることがないよう、一針一針、身体を生活の中に引き留めるための手続きとしておこなったものである。
頭をいっぱいに覆う宝石を模したアクリルビーズ・ツノの生えた虫・妊婦の腹を、愚かさ・欲望・野心の象徴として扱っている。それらを自身の持ち物として引き受け、身体と魂の折り合いをつけて善く生きようとする姿を象った。

快復する私たちの身体-A
2020年
ナイロンストッキング、布、糸、手芸わた、化粧品、ビーズ、ベビーパウダー
H28×W20×D16cm

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快復する私たちの身体-B
2020年
ナイロンストッキング、布、糸、手芸わた、化粧品、ビーズ、ベビーパウダー
H27×W20×D14cm

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快復する私たちの身体-C
2020年
ナイロンストッキング、布、糸、手芸わた、化粧品、ビーズ、ベビーパウダー
H31×W20×D13cm

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